3分でわかる三井屋工業
About us
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75年以上の歴史を持つ三井屋工業の始まりは、雑貨商。その後、不要となった麻袋を自動車内装部品の一種「サイレンサー」としてリサイクルしたのが、メーカーとしてのルーツです。まだ日本で自動車が普及する以前で、しかも環境問題も注目されていない時代でした。それ以来、変わることなく「廃棄物を出すことは、異常なこと」という精神を貫き、今日まで受け継がれています。
私たちのコア技術の一つが、材料開発技術。材料メーカーとの共同開発だけでなく、自社開発の材料もあります。その基礎となっているのはリサイクル技術。製造工程で出る樹脂シートの切れ端を溶かして別の樹脂と混ぜ、新たな材料に生まれ変わらせます。混ざりにくいPET樹脂の繊維を利用する技術も、すでに開発。「どんな樹脂も再生して、質の高い材料をつくる」を合言葉に、現在80%のリサイクル率を、100%まで上げる挑戦を続けています。
もう一つの当社のコア技術が、成形技術です。たとえば、表面に毛足の長い布状の層、その下には発泡材をはじめ何枚かの性質の違う層が貼り合わされた、シート状の複合樹脂材料を、表面の高級感をそこなったり、割ったり破ったりすることなく、深い凹凸のある形に金型を使って成形します。それを実現するための様々な要因、例えばヒーター温度やプレスの圧力具合、材料を保持する位置や離すタイミングなどを、絶妙にコントロールして可能にするのが、私たちの技術力です。
独自技術を持つ私たちは、単にお客様の設計の通りに量産する企業ではありません。トヨタ自動車と直接取引のある「開発提案型企業」として、自動車の企画段階から参画して課題に応えます。営業はお客様のニーズをヒアリングすることに加え、何気ない会話の中からも、潜在的な困りごとや課題をキャッチ。技術部門や製造部門と連携を取り、スピーディに試作品や企画案を提案します。コンパクトな企業規模が、こうした動きを助けます。
ここまで述べてきた技術や体制によって私たちがつくる製品は、自動車のタイヤ近くに装着されてロードノイズを吸音・遮音するホイールハウスライナーや、トランクルームの内装部品。あまり目にふれることのない製品ですが、どれも自動車の室内を快適に保つものです。車両の軽量化にも貢献するほか、トランクルーム内装部品では高級車に合った質感を表現するなど、クルマの価値の向上を支えています。
樹脂製に比べて軽く、寒冷地でも凍結のおそれがない、日本初の不織布製ホイールライナーを製品化しました。トヨタ車の不織布製リヤホイールハウスライナーでは、当社製品が100%のシェア。また、トヨタ車のフロントホイールハウスライナー(フェンダーライナー)は、不織布製ライナー採用車の約半数が当社製。レクサスやランドクルーザーなどに搭載されています。
自動車の電動化が進んでも、当社の製品は不要になるものではありません。だからといって、現状に甘えるつもりもありません。自動車がモータで動くようになれば、音が発生する場所や、音の質が変わります。完全自動運転が実現すれば、移動中に映画を楽しむユーザーも出てくるでしょう。快適な車室空間をつくる「音のマネジメント」は、ますます必要に。私たちはそれに応えていこうとしています。